2022/02/24

空の緑 用語集 1

 ”ヴェルデ・シエロ”の超能力


1. 心話

目と目を見合わせて情報を交換する能力。一瞬にして互いが持っている情報を伝え合えるので便利な一方、油断すると伝えたくない個人情報も伝わってしまうので、情報をセイブする慎重さが必要。また、お互いの目が見える距離でなければ使用出来ない。
”ヴェルデ・シエロ”なら生まれつき持っている能力であり、この能力を持っていなければ”ヴェルデ・シエロ”ではないと見做される。但し、言語と同じように親が語りかけて使い方を教える能力でもあるので、幼児期に母親からネグレクトされたアンドレ・ギャラガは大人になってから初めて使い方を教わった。


2. 夜目

暗闇でも目が見える。但し、光がない場所ではモノクロの世界を見ているのと同じ。
身体的能力なので、視力が正常なら生まれつき誰でも持っている。
夜間の照明は必要がないのだが、周囲の人間に正体を知られないように、家の中で照明を使用している。


3. 幻視

周囲の人間の脳に働きかけて幻影を見せる能力。”ヴェルデ・シエロ”なら誰でも使える能力だが、親が子供に教えるものであり、教わらなければ使えない。
自分の姿を相手に「見えない」と思わせるのも幻視の一種である。なお、この能力は”ヴェルデ・シエロ”同士では効果がない。


4. 操心

人間の脳に働きかけ、意識を支配してしまい、意のままに操る能力。
ママコナからテレパシーで伝授されるが、異人種の血が混ざるミックスの”ヴェルデ・シエロ”には習得が難しい能力の一つである。通常は一つの動作や短時間の支配しか出来ないが、修練を積むと長期にわたって支配を持続させることも可能。
相手の目を見つめて支配してしまうので、一般のセルバ人は古代から話し相手の目を見ないと言うマナーとして”ヴェルデ・シエロ”から身を守る自衛手段を伝えてきた。
但し、純血種や能力の強い者は相手の目を見なくても、己の結界内にいる全ての人間を支配出来る。

5. 連結

操心と混同されることが多い能力で、”ヴェルデ・シエロ”でも間違えることがあるらしい。
他人の身体の一部を支配して動かす力。脳を支配するのではないので、連結された人間は自分の手足が勝手に動くことに恐怖を覚えることが多い。自分の実際の能力以上の行動をしたいと願う人には有り難いが、短時間しか効かない。


6. 結界

精神力で作るバリア。小さいものは結界を張る本人のみを包み、大きなものは都市一つを包みこむ規模がある。結界の大きさは修行で成長させることが出来るが、部族ごとに限界がある。修行を積んだブーカ族はサッカースタジアムを包みこめる規模の結界を瞬時に張ることが出来る。グラダ族は都市を包みこめる。
この結界は”ヴェルデ・シエロ”同士の争いで身を守るものであり、”ヴェルデ・シエロ”は自分より力の強い他人の結界を通れないが、普通の人間には意味がないと言う弱点がある。従って、銃弾や砲弾などを通してしまうので、それには別の対抗策がある。但し、刃物や矢や石の投擲と言った古代からの武器は防げる。
自分で張った結界の内側では、能力を存分に発揮出来るので、操心などを多人数に対して使いたい場合は、先に結界を張ってしまう。


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第11部  紅い水晶     15

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