2022/03/01

空の緑 人物紹介 1

 テオと仲間達


テオドール・アルスト・ゴンザレス

元の名前は シオドア・ハースト  愛称テオ

北米の国立遺伝病理学研究所で遺伝子組み替えによって生み出された男。
頭脳明晰だが、性格は悪かった。
セルバ共和国でバス事故に遭遇し、記憶喪失に陥ってから性格がガラリと変わり、「良い人」に生まれ変わる。
バス事故から救い出してくれたエル・ティティの町の住人達を愛し、親身になって世話をしてくれた警察署長アントニオ・ゴンザレスを父の様に慕い、セルバ共和国に亡命、帰化する。
現在は国立グラダ大学生物学部遺伝子工学科の准教授として勤務。
大統領警護隊文化保護担当部の隊員達と親交を深めるに従って、面倒な事件に巻き込まれる率が高くなっている。
超能力は持っていないのだが、何故か霊の声が聞こえたり、悪霊のエクトプラズムが見える。
ヴェルデ・シエロの”操心”が効かない人間として、ヴェルデ・シエロから一目置かれている。
ケツァル少佐を愛しているが、口説く勇気がない。


シータ・ケツァル・ミゲール

大統領警護隊文化保護担当部の指揮官少佐  通称ケツァル少佐
テオより1つ年下。

現世で生きている最強の純血グラダ族の女性。 ナワルはジャガー。
純血種の父と半グラダ(半分以上グラダ族の血を引くと言う意味)の母の間に生まれた。
母親が彼女を出産後すぐに亡くなったので、サスコシ系メスティーソのフェルナンド・フアン・ミゲールとスペイン人マリア・アルダ・ミゲールの夫妻に養女に出され、ヨーロッパとセルバを行き来して育った。 現在は西サン・ペドロ通りの高級コンドミニアムで一人暮らし。
グラダ族はオールマイティのヴェルデ・シエロと言われているが、”空間通路”の”着地”が下手なので部下に皮肉を言われることがある。
彼女が張る結界はかなり強力で通り抜けられるヴェルデ・シエロはいない。(セプルベダ少佐が「ケツァルの結界にまともに突っ込むと、頭がパーになるぞ。」と言っている。)
性格はかなりドライだが、部下達を弟妹の様に心から愛している。
テオには気がないようなふりをして、結構自分からモーションをかけている節がある。



アルフォンソ・マルティネス

本名アルファット・マレンカ   通称ロホ
大統領警護隊文化保護担当部副官大尉
ケツァル少佐より6歳年下。

ブーカ族の名門貴族の家の4男(男ばかり6人兄弟)。 ナワルはジャガー。
長身のイケメン。穏やかな性格で優しく親切なので男女の別なくファンが多い。
超能力は強く、悪霊退治や荒神の鎮静をやってのける能力がある。
サッカーが得意。 現在は中古のアパートで一人暮らし。
優秀なのに性格が優しすぎるので上官達から心配されることがある。
ケツァル少佐が作る煮豆が大好物だが、少佐の家に泊まると何故かいつも朝寝坊する。
少佐に憧れていたが、少佐の異母妹と交際を始めた。
後輩達からは頼れる兄貴先輩上官として敬愛されている。


キナ・クワコ

通称アスル   逮捕した犯罪者達からは”ペケニョ・エロエ(小さな英雄)”と呼ばれている。
大統領警護隊文化保護担当部中尉
ロホより2歳年下。

恐らく大統領警護隊では唯一人の純血オクターリャ族の隊員。 ナワルはジャガー。
時間跳躍が得意だが、時間の法則を守ったりエネルギー消費が半端ではないので滅多にその力を使わない。
小柄だが格闘技に長けており、白兵戦が得意。 車の運転は暴走族並みなので、ロホと行動する場合、通常は上官のロホが運転している。
趣味はサッカーと料理、消しゴムの収集。
普段は無愛想で無口だが、気に入ると世話を焼きたがるツンデレ君。
料理が趣味なので、店や他人の台所を覗きたがる。 
文化保護担当部に抜擢された時に官舎を出てから住所不定だったが、テオの家に下宿を始めて少尉から中尉に昇級を認められた。年上の女性が好みらしいが、まだ恋人はいない。


マハルダ・デネロス

特に通称はないが、みんなからマハルダと呼ばれて可愛がられている。
大統領警護隊文化保護担当部少尉
アスルより1歳年下。 つまり、最年少。

8分の1ブーカ族の血が入るメスティーソの女性隊員。 ナワルはオセロット。
ロホと同様に6人の子供がいる家庭の末っ子。実家はグラダ・シティ郊外のワタンカフラ地区で野菜中心の農業を営んでいる。
超能力の威力は強くないが、一通りの技は使える優れ者。
力が強くないのでケツァル少佐は彼女を戦闘から遠ざけたがるが、当人は前線に出て働きたい性格。 コンピューターのデータ処理能力は抜群に高いが、たまに用事を忘れるドジも踏む。
物怖じしない性格で、ケツァル少佐でさえ逆らわないムリリョ博士に遠慮なく話しかけたり、年上の後輩ギャラガを年下扱いする。
学習意欲も盛んで文化保護担当部の必須科目である考古学を修了した後も大学で現代言語学コースを履修して学んでいる。陽気で可愛いので男子学生の間では人気が高い。林檎と甘い物が大好き。目下のところ恋愛よりも仕事に熱中している。 本部の官舎住まい。


アンドレ・ギャラガ

当人は好きではないが、カサベ・ロハ(赤い頭)と警備班時代に呼ばれて揶揄われていた。
大統領警護隊文化保護担当部少尉
アスルと同年齢(推定)。

街娼をしていた母親(ヴェルデ・シエロ)にネグレクトされ、不遇な幼児期を過ごした経歴を持つ。父親は不明。(母親は彼に父親はアメリカ人で死んだと語っていた。)
白い肌と赤毛で外観は白人に近い。母親は自分達はブーカ族だと彼に言っていたが、彼女の姓を聞いたカルロ・ステファンがカイナ族ではないかと疑いを持った。儀式でナワルを披露した時、色が薄い黒いジャガー(灰色に斑紋がある)に変身したので、グラダ族と認定された。
母親にネグレクトされ、メスティーソでもあるのでママコナの声を聞けず、超能力の使い方を知らずに成長したため、文化保護担当部に引き抜かれてから使い方を習っている最中。
グラダ大学考古学部の学生でもある。(通信制)
生きるために10歳頃に年齢を誤魔化して自ら陸軍に入隊、バレた後もそのまま軍に養われ、陸軍特殊部隊に入った。そこから大統領警護隊に採用されたので、度胸と戦闘能力は人並みに持っている。シャイな性格で、時々ケツァル少佐に「目を伏せるな」と叱られる。
文化保護担当部では己が一番格下だと心得ている。また、引き抜かれるキッカケを作ってくれたカルロ・ステファンに感謝と尊敬の気持ちを抱いている。 本部の官舎住まい。


カルロ・ステファン

エル・ジャガー・ネグロ(黒いジャガー)
大統領警護隊遊撃班所属大尉
ケツァル少佐より6歳年下。ロホと同年齢。

グラダ純血種の父と4分の1白人のグラダ系メスティーソの母の間に生まれた。
ケツァル少佐の異母弟。
2歳の時に父親を亡くし、母方の祖父も彼が5歳の時に病死したので、幼い頃から家族を養うために掏摸やかっぱらいをしていた。15歳の時に掏摸の標的にした相手がヴェルデ・シエロで、諭されて陸軍に入隊、大統領警護隊に採用された。当初は”心話”と夜目しか使えない”出来損ない”と周囲から馬鹿にされていたが、戦闘能力は秀でていたために上層部から目を留められ、文化保護担当部設立の際に親友のロホと共にケツァル少佐に部下として招かれた。少佐との血縁関係が明らかになる迄彼女を愛し、いつか妻にしようと考えていた。
少佐が彼を「弟」としか見ていないと悟った時は失恋で落ち込んだ。
テオには度々助けられ、頭が上がらない。
母親と実妹をオルガ・グランデからグラダ・シティに呼び寄せてすぐに本部勤務となってしまい、現在は官舎住まい。
グラダ族の男性として強力な超能力を持ち、気の爆裂の威力は凄まじいものがある。
気が優しく他人を信用してしまいがちな人の良さがあるが、仲間を傷つける者に対しては容赦なく攻撃する。



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第11部  紅い水晶     21

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