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2021/09/17
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第11部 神殿 23
一般のセルバ共和国国民は神殿の中で起きた事件について、何も知らない。そんな事件があったことすら知らない。彼等の多くは”ヴェルデ・シエロ”はまだどこかに生きていると思っているが、自分達のすぐ近くで世俗的な欲望で争っているなんて、想像すらしないのだった。 テオは、大神官代理ロア...
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ノックと呼びかけに反応がなかったので、ギャラガはドアノブを掴んだ。 ”ヴェルデ・シエロ”に鍵は効力を持たないが、ドアは施錠されていなかった。ギャラガはチラリとケツァル少佐を見て、入ります、と目で伝えた。少佐が頷いた。形だけでもアサルトライフルを構えて、ギャラガは屋内に足を踏み...
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翌日の朝からマイロとチャパはアスクラカン市街地の南半分で昆虫採集を始めた。吸血をするサシガメは人家の壁に住み着くので、空き家を探しても意味がない。住民がいる家で、出来れば裕福でなさそうな家庭、と言えば失礼になるのだが、土壁を使った家屋を探して、外側から出来るだけ隙間などを探...
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「医療ジャーナルに書かれていたと思いますが、僕はシャーガス病の研究をしています。あの病気はまだワクチンがありません。多くの人々が苦しんでいます。ですが、セルバ共和国にはシャーガス病の発症例が一つもありません。」 マイロがアキムを見つめると、アキムが首を振った。 「確かに、私...
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