2022/02/26

空の緑 用語集 5

 人間の呼称


1. ヴェルデ・シエロ

「空の緑」。 中米セルバ地方に古代文明を築き、紀元前に既に滅んだと言われる種族。
特殊な脳の働きで所謂「超能力」を使ってセルバ地方を支配していたと言い伝えられる。
古代遺跡には、頭部に翼がある姿で彫刻が残される。(ケツァル少佐は、「そんな翼が頭に生えていたら化け物だと思う」と言った。)
7つの部族に分かれ、それぞれ微妙に使える能力の種類や強さが異なった。
絶滅したと言われているが、実際は細々と生き残っており、セルバ国民の中に混ざって暮らしている。セルバ人の土着信仰の「神」であり、セルバ共和国はカトリック教徒の国と言う建前だが、市民は災難に遭ったり災害が来ると”ヴェルデ・シエロ”に祈る。国民の中には実際に”ヴェルデ・シエロ”が生きていることを知っている人もいて、みだりにその名を口にすることはタブーとなっている。


2. ヴェルデ・ティエラ

「地の緑」。ヴェルデ・シエロから見た普通の人間のこと。本来はセルバ先住民のことを指していたが、現在はヴェルデ・シエロでない全ての人間を指す言葉になっている。
セルバ共和国にはヴェルデ・シエロの子孫がヴェルデ・ティエラと混血して残っていることが多い。見た目は普通の中米先住民の顔をしている。また、白人との混血メスティーソの割合が純血種を上回っている。
ヴェルデ・ティエラも地域毎に多くの部族に分かれているが、近代化が進んで都市部では伝統的文化や言語が消えつつある。


3. 出来損ない

ヴェルデ・シエロとティエラ(広義の意味で)の混血の人々を指す。
気の制御が親やママコナから教わらなければ出来ないので、純血種のヴェルデ・シエロが軽蔑の意味で用いる蔑称である。
”出来損ない”は超能力を持っているミックスを指し、”心話”や夜目を使えないミックスはただの”ヴェルデ・ティエラ”と見做され、”出来損ない”とは呼ばれない。


4. 純血種

100パーセント”ヴェルデ・シエロ”の人。
広義では、複数の部族の血筋を引いている人も含め、狭義では単一部族の血統しか認めない。
従って、純血至上主義と言う右派も二つに分かれ、狭義の極右は”出来損ない”の存在を認めようとしない。身内でも異種族との婚姻で生まれた子供を殺してしまう極端な過激思想を持つ。


5. メスティーソ

白人とアメリカ先住民の混血の人々。


6. サンボ

アフリカ系とアメリカ先住民の混血の人々。


7. ムラート

アフリカ系と白人の混血の人々。




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