2022/03/02

空の緑 人物紹介 3

 テオの知人 ヴェルデ・シエロ達


ファルゴ・デ・ムリリョ

マスケゴ族の族長・長老・長老会のメンバー。
考古学博士。セルバ国立民族博物館館長・グラダ大学考古学部主任教授。
”砂の民”の首領。 ナワルはピューマ。

白人嫌いで若い者も煩わしいと思っている。
純血至上主義者と言われているが、教え子の多くはメスティーソであり、ミックスのヴェルデ・シエロが出す抑制の効かない気の放出が煩わしいだけ。
いつも怒っているような苦虫を潰した様な顔をしており、礼儀を弁えない者とは口を利かない。仕事が忙しく、普段どこにいるのかなかなか捕まらない。用事がある場合は、彼の方から他人を一方的に呼びつける。
地位と職業的経験から知識が豊富で、大変な物知りだが、決して全部を語らず、何かしら秘密を隠したまま説明を終える。
一族の歴史は勿論のこと、一族の各家系や人々の経歴もよく知っている。
自分の家族の話は滅多にしないが、妻との間に男女の子供が複数いるらしい。


フィデル・ケサダ

マスケゴ族の考古学者。 グラダ大学考古学部教授。
まだ誰も確証をつかめていないが、”砂の民”と考えられている。
ナワルは白いジャガー。

実は半グラダの男女の間に生まれた純血のグラダの男性。しかし母親は我が子を守るために、幼かった彼をムリリョ博士に託し、マスケゴ族として生きるよう息子を諭した。その為、彼の正体を知っている人間はムリリョ夫妻と彼の妻(ムリリョの末娘)だけ、と言うことになっている。(テオとケツァル少佐はムリリョに打ち明けられた。ロホはケサダの気の強大さを偶然彼のクシャミから感じ取り、漠然と恩師の正体に気がついた。)
とても穏やかで親切な人柄から大学の学生達にとても人気がある教授。但し、授業は厳しい。テオはムリリョに会いたい時はケサダに先に接触する。ケサダも洞察力が鋭く、知識が豊富なのでテオ達が抱える難問を解く手助けを度々してくれる。(但し皮肉も言う。)
恐らく生きている唯一の純血グラダの男性なので、地上最強のヴェルデ・シエロであるとテオ達は考えている。
彼が幼い頃に生き別れた母親が老齢になったので引き取って一緒に暮らしているのをテオは知ってしまうが、ケサダ本人にはそのことを伝えていない。


シーロ・ロペス

大統領警護隊から外務省出向している司令部所属少佐。
外務省での役職は移民・亡命審査官。 
ブーカ族。 ナワルはジャガー。

堅苦しいほど真面目な性格だが恋も真剣で、アリアナ・オズボーンの心を掴むことに成功した。グラダ・シティ郊外の邸宅で妻アリアナと父親との3人暮らし。
業務が事務職なので、ケツァル少佐に「長い間ライフルを撃ったことがないのではないか」と疑われているが、国の治安を守るために、不法入国者や外国人のスパイ行為に対しては厳しく対処する。テオは亡命したての観察期間に度々外泊したり護衛を付けずに外出してロペスに叱られていた。


フェルナンド・フアン・ミゲール

在アメリカ・セルバ共和国特別全権大使。
ケツァル少佐の養父。
シエラ・コーヒーのブランドで知られるサンシエラ農園の農園の一つを所有している富豪。
サンシエラ農園はサスコシ系メスティーソのミゲール一族が親族経営するセルバ共和国最大のコーヒー&フルーツ生産業者。
フェルナンド自身は”心話”と夜目しか使えない(外観は白人)が、ヴェルデ・シエロの長老会から生まれて間もないケツァル少佐の養育を託された。妻マリア・アルダと共に、実子ができなかったこともあるが、養子にゾッコンで溺愛している。
大使らしく、多少の「変な出来事」には動じない、騒がない。


シショカ

建設大臣マリオ・イグレシアスの私設秘書。
マスケゴ族。 ナワルはピューマ。
”砂の民”で、純血至上主義者。
フルネームは不明だが、セニョール・シショカと必ず敬称を付けて呼ばれる。
メスティーソのヴェルデ・シエロを”出来損ない”呼ばわりするので大統領警護隊文化保護担当部から毛嫌いされている。普通”砂の民”は身分を隠すが、彼は大統領警護隊に正体を知られている有名人。政治家を陰で操っていると言う噂もある。
ムリリョ博士の配下ではないが、マスケゴ族なので、同族の族長であり長老であるムリリョ博士に逆らわない。
”出来損ない”と軽蔑していたカルロ・ステファンが能力に目覚め、グラダ族の威力を発揮し始めたので、少し焦っている感がある。
また、同じマスケゴ族の筈のケサダ教授が自分より遥かに強いと本能的に悟ると、ケサダの要求に屈してしまい、後でムリリョ博士に苦情を言い立てた。


エミリオ・デルガド

大統領警護隊遊撃班所属少尉。
グワマナ族。 ナワルはマーゲイ。
セルバ共和国南部のプンタ・マナ出身で、実家は観光客相手の土産物屋。
長身でほっそりしたイケメン。 アスルと同年齢。
超能力の威力は強くないが、知恵と勇気と知性で勝負する。(人間としての体力勝負では強い。)
ケツァル少佐によれば「変身すると小さいのでどこにでも侵入して来る厄介な相手」。
本部の外ではステファンや他の隊員と組んで行動する。
テオとも仲良くなって家に宿泊するとアスルとチェッカーをしている。


カタリナ・ステファン

カルロ・ステファンの母。
生まれて間もなく父親に能力を封印されたので”心話”と夜目しか使えない。
父親はイェンテ・グラダ村の生き残りの半グラダ、母親はスペイン人とヴェルデ・ティエラ先住民のメスティーソ。ステファンは母方の姓である。
普通の主婦だが、夫が一族と戦っていた時期は一人で井戸から地下坑道へ降りて夫を援助した気丈な女性。しかしカルロの姉2人を赤ん坊の時に失っている。
オルガ・グランデから出たことがなかったが、息子が家を買ったので、末娘と共にグラダ・シティに移住した。
夫の最初の娘であるケツァル少佐とは良き友人となった。


グラシエラ・ステファン

カルロ・ステファンの実妹でケツァル少佐の異母妹。
生まれて間もなく祖父に能力を封印されたので”心話”と夜目しか使えない。
父親の死後に誕生した。
兄が家を買った時、故郷を出るのを渋る母親を「兄と一緒に暮らして大学へ行きたい」と言って説得した。
現在はグラダ大学文学部で言語学専攻。教員資格を取って僻地の子供を教える目標がある。
兄の親友のロホに一目惚れして、異母姉ケツァル少佐の応援を得て兄にロホとの交際を認めさせた。
テオのことはアルスト先生と呼び、頼りにしている。


1 件のコメント:

Jun Tacci aka ねこまんま さんのコメント...

フィデル・ケサダは”砂の民”であるとテオと仲間達は考えているので、ケサダのナワルはピューマだと信じて疑わない。

第11部  紅い水晶     19

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