2022/03/03

空の緑 人物紹介 6

 テオの関係者達  部別


第3部

ママコナ

全てのヴェルデ・シエロを統括・教育する役目を担う大巫女。
当代のママコナはカルロ・ステファンと同年齢のカイナ族の女性。
先代が死去した後最初に生まれた純血種の女子が選ばれる。
一生”曙のピラミッド”から出ることはないが、テレパシーで世界中を見ている。
一族からは”名を秘めた女性”とか”名を呼んではいけない女性”と呼ばれる。
純血種のみが彼女とテレパシーで会話出来る。


ビアンカ・オルティス

自称グラダ大学文学部の学生。
ステファンにジャガー目撃証言をするが、ステファンは彼女の証言と彼自身の捜査結果の矛盾に気が付く。


ロレンシオ・サイス

アメリカ生まれのジャズピアニスト。
父親はサスコシ族、母親は北米先住民のハーフ。 
ヴェルデ・シエロが何かも知らずに育ったので、ドラッグ服用でジャガーに変身してしまい、狼狽えた。父方の親族が純血至上主義者なので、悩む。


ビアンカ・オルト

サスコシ族。 ナワルはピューマ。
純血至上主義の家庭で育ち、異人種の血を引く異母弟の存在を知って怒った。
テオやステファンと数回接触するが、毎回嘘をついた。
テオ達は彼女は”砂の民”だと思い込んでいたが、違っていた。
ステファンに逮捕されかけた時に、デルガド少尉を気の爆裂で襲い、ステファンの一撃で倒された。


エドアルド・ゴンボ

コロンビア人の麻薬組織の構成員。
チュパカブラ騒動をでっち上げて遺跡発掘の妨害を試みたが、アスルに捕まった。


ドロテオ・タムード

サスコシ族。 ミゲール大使の親戚。
ケツァル少佐は「タムードの叔父様」と呼んでいる。


セルソ・タムード

サスコシ族。 ドロテオの次男。
ビアンカ・オルティスの本性をロホとステファンに語った。


シプリアーノ・アラゴ

サスコシ族族長。
ロレンシオ・サイスをヴェルデ・シエロとして教育することを引き受けてくれた。


ボブ・マグダス

アメリカ人。 ロレンシオ・サイスのマネージャー。
バンドを隠れ蓑に使い、麻薬を南米から北米へ密輸していた。


クレト・リベロ少尉、アブリル・サフラ少尉

大統領警護隊遊撃班所属。 どちらもブーカ族。


マルク・スニガ

グラダ大学生物学部准教授。 テオの同僚。
サンプル分析の費用を大統領警護隊文化保護担当部に請求したが、ケツァル少佐に正式な分析依頼を出した覚えはないと言う理由で踏み倒された。


マリア・アルダ・ミゲール

スペイン人宝飾デザイナー。 ミゲール大使の妻。 ケツァル少佐の養母。
養女のケツァル少佐を赤ん坊の時から育て、溺愛している。
娘が危険な仕事をしていることが心配なので、少佐は怪我をしても彼女には教えない。


空の緑 人物紹介 5

  テオの関係者達  部別


第2部

トーコ

ブーカ族とマスケゴ族のハーフ。 大統領警護隊司令部 副司令官。
隊員達から武闘派と信じられている。
各部署の指揮官に直接命令を下す役目をしている。
豪快な性格で部下達の個人的な事情にも理解を示す。


フェリペ・ラモス

ヴェルデ・ティエラ先住民。 サン・ホアン村の占い師。
エル・ティティ郊外のバナナ畑で死体となって発見された。


サン・ホアン村の村長夫妻

ヴェルデ・ティエラ先住民。 妻はフェリペの叔母。
村で起きている異変をテオ達に伝える。


チコ

アフリカ系ムラートとヴェルデ・ティエラのハーフ。陸軍2等兵。


パブロ

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。 陸軍2等兵。


カダイ師

ヴェルデ・ティエラ先住民。 民間の薬屋。(所謂呪い師)。


ノエミ・トロ・ウリベ

ヴェルデ・ティエラ先住民。 グラダ大学宗教学部教授。
セルバ国内の民間信仰を研究している。特に人形を用いた儀式や刺青、ペイントの意味を調査中。
学生達を愛し、誰彼となく力一杯ハグするので、ハグが苦手なステファンは逃げようとするが捕まる。



ロドリゴ・ロムべサラゲレス

グワマナ族族長。 
プンタ・マナのフェルナンデス農園で支配人をしている。



イスタクアテ・ロハス

グワマナ族。 漁師。 シャーマン。
弟カイヤクアテを海難事故で失った。


ペラレホ・クアテ

グワマナ族。 漁師。
イスタクアテの甥、カイヤクアテの息子。


ジョナサン・クルーガー

アメリカ人。 海難事故の当事者。


コンドル

サン・ホアン村を守っていた神像。


空の緑 人物紹介 4

 テオの関係者達  部別


第1部

アントニオ・バルデス

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。
オルガ・グランデ最大の金鉱石採掘企業エンジェル鉱石のミカエル・アンゲルス社長をネズミの神像を使って呪殺して会社を乗っ取った。彼なりの理由は、従業員を人並みに扱わない白人社長の排除と労働者待遇の改善が目的。
根っからのセルバ人なので大統領警護隊は畏怖の対象であり、逆らわない。


リコ

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。バルデスの命令でパシリをしていた地元のヤクザ。
テオとケツァル少佐をバルデスの下に呼び込んでしまい、バルデスの怒りを恐れて少佐に保護を求めた。
現在はオルガ・グランデ陸軍基地の車両部で軍属として働いている。
テオを命の恩人と考え、細やかながら手助けをする。


マリア・アルメイダ

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。 アンゲルスの屋敷で女中として働いている時にネズミの神像に近づいて呪いのとばっちりを受けてしまう。
ケツァル少佐からママコナのネックレスをもらって病気が治る。


ヘイズ

アメリカにある某私立大学の考古学者。
趣味でメルカトル博物館を所有・経営している。


リオッタ

グラダ大学に勤務していたイタリア人考古学者。
オクタカス遺跡で作業員から聞いたボラーチョ村の謎を追求しようとして、”砂の民”に粛清された。


マーベリック

アメリカ人考古学者。
オクタカス遺跡で何故かフランスの発掘隊の指揮を執っていた。
”風の刃の審判”事故で負傷。発掘作業を断念せざるを得なくなった。


ニート

ヴェルデ・シエロの少年。 恐らくオクターリャ族。
テオが彼に出会ったのは所在不明のジャングルの奥地で、時代はJ・F・ケネディがまだ大統領選を戦っている時だった。


クルーニー

テオの護衛。シュライプマイヤーの相棒。


ディエゴ・カンパロ

反政府ゲリラ”赤い森”のリーダー。
ミックスのヴェルデ・シエロだが、能力はほとんどない。
テオを誘拐したり、ロホをナイフで刺して瀕死の重傷を負わせたりで、ステファンに狙撃され、ケツァル少佐からアサルトライフルの銃弾を滅多撃ちされた。


カメル

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。 陸軍特殊部隊軍曹。
カルロ・ステファンと共に特殊任務を帯びてアメリカに潜入したが、メルカトル博物館で突然ステファンを暗殺しようとして失敗。警察官に銃を向けたために射殺された。


エドガルド・ファルコ

大統領警護隊司令部所属 外務省へ出向している。 駐米セルバ共和国大使館付き武官。少佐。
ブーカ族。 妻帯者。


リギア・フナイ

駐米セルバ共和国大使館勤務 理事官。
ヴェルデ・シエロ系メスティーソ。


パルトロメ・イグレシアス

白人。 内務大臣。


マリオ・イグレシアス

白人。 建設大臣。 パルトロメの弟。
ケツァル少佐に片思いをして何度ふられても諦めずにデートに誘う。
(一応ストーカーではない。)
セニョール・シショカの雇い主。


エウセビーオ・シャベス

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。
陸軍特殊部隊軍曹。 内務省の命令で亡命者の運転手兼護衛を務めた。
ヴェルデ・シエロの内紛に巻き込まれ負傷した。現況は不明。


シュカワラスキ・マナ

純血グラダの男性。イェンテ・グラダ村の生き残り。
ケツァル少佐とカルロ・ステファンの父。


ウナガン・ケツァル

半グラダの女性。 イェンテ・グラダ村の生き残り。
ケツァル少佐の母。


ニシト・メナク

半グラダの男性。 イェンテ・グラダ村の生き残り。
ウナガンの夫。


エルネンツォ・スワレ

ブーカ族。 砂の民。


トゥパル・スワレ

ブーカ族。 長老会の重鎮。 エルネンツォの弟。


アデリナ・キルマ

ブーカ族。 陸軍特殊部隊第17分隊隊長 中尉。
シャベス軍曹の直属の上官。 
ステファンが彼女を「巨乳ちゃん」と呼んでケツァル少佐に消しゴムを投げつけられた。


グリュイエ

ブーカ族。 大統領警護隊 少尉。
文化保護担当部に配属されることが決まったその日にバス事故に巻き込まれ、市民を助けて殉職した。 享年18歳(推定) 大統領警護隊地下神殿の”名誉の殉職者”に列されている。


長老会の人々

仮面を装着しているので身元不明。
一人は女性である。


ファビオ・キロス

ブーカ族。 大統領警護隊遊撃班所属中尉。


2022/03/02

空の緑 人物紹介 3

 テオの知人 ヴェルデ・シエロ達


ファルゴ・デ・ムリリョ

マスケゴ族の族長・長老・長老会のメンバー。
考古学博士。セルバ国立民族博物館館長・グラダ大学考古学部主任教授。
”砂の民”の首領。 ナワルはピューマ。

白人嫌いで若い者も煩わしいと思っている。
純血至上主義者と言われているが、教え子の多くはメスティーソであり、ミックスのヴェルデ・シエロが出す抑制の効かない気の放出が煩わしいだけ。
いつも怒っているような苦虫を潰した様な顔をしており、礼儀を弁えない者とは口を利かない。仕事が忙しく、普段どこにいるのかなかなか捕まらない。用事がある場合は、彼の方から他人を一方的に呼びつける。
地位と職業的経験から知識が豊富で、大変な物知りだが、決して全部を語らず、何かしら秘密を隠したまま説明を終える。
一族の歴史は勿論のこと、一族の各家系や人々の経歴もよく知っている。
自分の家族の話は滅多にしないが、妻との間に男女の子供が複数いるらしい。


フィデル・ケサダ

マスケゴ族の考古学者。 グラダ大学考古学部教授。
まだ誰も確証をつかめていないが、”砂の民”と考えられている。
ナワルは白いジャガー。

実は半グラダの男女の間に生まれた純血のグラダの男性。しかし母親は我が子を守るために、幼かった彼をムリリョ博士に託し、マスケゴ族として生きるよう息子を諭した。その為、彼の正体を知っている人間はムリリョ夫妻と彼の妻(ムリリョの末娘)だけ、と言うことになっている。(テオとケツァル少佐はムリリョに打ち明けられた。ロホはケサダの気の強大さを偶然彼のクシャミから感じ取り、漠然と恩師の正体に気がついた。)
とても穏やかで親切な人柄から大学の学生達にとても人気がある教授。但し、授業は厳しい。テオはムリリョに会いたい時はケサダに先に接触する。ケサダも洞察力が鋭く、知識が豊富なのでテオ達が抱える難問を解く手助けを度々してくれる。(但し皮肉も言う。)
恐らく生きている唯一の純血グラダの男性なので、地上最強のヴェルデ・シエロであるとテオ達は考えている。
彼が幼い頃に生き別れた母親が老齢になったので引き取って一緒に暮らしているのをテオは知ってしまうが、ケサダ本人にはそのことを伝えていない。


シーロ・ロペス

大統領警護隊から外務省出向している司令部所属少佐。
外務省での役職は移民・亡命審査官。 
ブーカ族。 ナワルはジャガー。

堅苦しいほど真面目な性格だが恋も真剣で、アリアナ・オズボーンの心を掴むことに成功した。グラダ・シティ郊外の邸宅で妻アリアナと父親との3人暮らし。
業務が事務職なので、ケツァル少佐に「長い間ライフルを撃ったことがないのではないか」と疑われているが、国の治安を守るために、不法入国者や外国人のスパイ行為に対しては厳しく対処する。テオは亡命したての観察期間に度々外泊したり護衛を付けずに外出してロペスに叱られていた。


フェルナンド・フアン・ミゲール

在アメリカ・セルバ共和国特別全権大使。
ケツァル少佐の養父。
シエラ・コーヒーのブランドで知られるサンシエラ農園の農園の一つを所有している富豪。
サンシエラ農園はサスコシ系メスティーソのミゲール一族が親族経営するセルバ共和国最大のコーヒー&フルーツ生産業者。
フェルナンド自身は”心話”と夜目しか使えない(外観は白人)が、ヴェルデ・シエロの長老会から生まれて間もないケツァル少佐の養育を託された。妻マリア・アルダと共に、実子ができなかったこともあるが、養子にゾッコンで溺愛している。
大使らしく、多少の「変な出来事」には動じない、騒がない。


シショカ

建設大臣マリオ・イグレシアスの私設秘書。
マスケゴ族。 ナワルはピューマ。
”砂の民”で、純血至上主義者。
フルネームは不明だが、セニョール・シショカと必ず敬称を付けて呼ばれる。
メスティーソのヴェルデ・シエロを”出来損ない”呼ばわりするので大統領警護隊文化保護担当部から毛嫌いされている。普通”砂の民”は身分を隠すが、彼は大統領警護隊に正体を知られている有名人。政治家を陰で操っていると言う噂もある。
ムリリョ博士の配下ではないが、マスケゴ族なので、同族の族長であり長老であるムリリョ博士に逆らわない。
”出来損ない”と軽蔑していたカルロ・ステファンが能力に目覚め、グラダ族の威力を発揮し始めたので、少し焦っている感がある。
また、同じマスケゴ族の筈のケサダ教授が自分より遥かに強いと本能的に悟ると、ケサダの要求に屈してしまい、後でムリリョ博士に苦情を言い立てた。


エミリオ・デルガド

大統領警護隊遊撃班所属少尉。
グワマナ族。 ナワルはマーゲイ。
セルバ共和国南部のプンタ・マナ出身で、実家は観光客相手の土産物屋。
長身でほっそりしたイケメン。 アスルと同年齢。
超能力の威力は強くないが、知恵と勇気と知性で勝負する。(人間としての体力勝負では強い。)
ケツァル少佐によれば「変身すると小さいのでどこにでも侵入して来る厄介な相手」。
本部の外ではステファンや他の隊員と組んで行動する。
テオとも仲良くなって家に宿泊するとアスルとチェッカーをしている。


カタリナ・ステファン

カルロ・ステファンの母。
生まれて間もなく父親に能力を封印されたので”心話”と夜目しか使えない。
父親はイェンテ・グラダ村の生き残りの半グラダ、母親はスペイン人とヴェルデ・ティエラ先住民のメスティーソ。ステファンは母方の姓である。
普通の主婦だが、夫が一族と戦っていた時期は一人で井戸から地下坑道へ降りて夫を援助した気丈な女性。しかしカルロの姉2人を赤ん坊の時に失っている。
オルガ・グランデから出たことがなかったが、息子が家を買ったので、末娘と共にグラダ・シティに移住した。
夫の最初の娘であるケツァル少佐とは良き友人となった。


グラシエラ・ステファン

カルロ・ステファンの実妹でケツァル少佐の異母妹。
生まれて間もなく祖父に能力を封印されたので”心話”と夜目しか使えない。
父親の死後に誕生した。
兄が家を買った時、故郷を出るのを渋る母親を「兄と一緒に暮らして大学へ行きたい」と言って説得した。
現在はグラダ大学文学部で言語学専攻。教員資格を取って僻地の子供を教える目標がある。
兄の親友のロホに一目惚れして、異母姉ケツァル少佐の応援を得て兄にロホとの交際を認めさせた。
テオのことはアルスト先生と呼び、頼りにしている。


空の緑 人物紹介 2

 テオの身内達


アントニオ・ゴンザレス

エル・ティティ警察署長。 ヴェルデ・ティエラのメスティーソ。
階級としては、警視?

テオがバス事故に遭う2年前に伝染病で妻子を失った。
記憶喪失になり誰も探しにこない身元不明のテオを自宅に引き取り親身になって世話をした。テオがセルバ共和国に帰化する一番の動機となった人物。
テオがセルバ共和国に帰化すると正式に養子縁組をした。
陽気で豪胆な田舎親父。警察署長と言う地位をコネに友人知人に便宜を図る柔軟性を持ちながらも不正は許さない正義漢でもある。休日は近所の幼馴染み達と親父クラブでチェスをしたりして遊んでいる。(最近カノジョが出来たらしい。)
警察官幹部の端くれとしてヴェルデ・シエロ対処法を学んでおり、大統領警護隊が署にやって来ても他の警察官と違ってあまり怖がらない。
テオがケツァル少佐に逆らわないのを見て、「結婚する前から女房の尻に敷かれている」と揶揄っている。
部下に4人の若い巡査がいる。


アリアナ・オズボーン

テオと同じアメリカ国立遺伝病理学研究所で作られた遺伝子組み換え人間の女性。
テオは「妹」と認識しているが、血縁関係(遺伝子の関係)はない。
遺伝病研究の博士で、テオと共にセルバ共和国に亡命後、1年半メキシコの病院で勤務した。現在はグラダ大学医学部付属病院で遺伝病の子供達を中心に治療する臨床医をしている。
アメリカ時代は我儘し放題に育てられ、テオを含めて気に入った男性とは誰とでも寝る軽薄な女性だったが、負傷したカルロ・ステファンがナワルから人間に戻るところを目撃し、助けたところから彼に恋をしてしまった。結局ステファンへの恋は実らなかったが、亡命の時から世話をして保護を続けてくれた移民・亡命審査官シーロ・ロペス少佐(大統領警護隊から外務省へ出向の役職)と新たな恋に落ち、結婚に至る。
マハルダ・デネロスとは姉妹の様に仲が良く、ケツァル少佐とも親友になった。


エルネスト・ゲイル

テオとアリアナと同じアメリカ国立遺伝病理学研究所で作られた遺伝子組み換え人間の男性。 2人とは「兄弟」となるが、血縁関係(遺伝的関係)はない。
陰険な性格で3人の中で一番自己中。故にアリアナはエルネストとは寝たことがない。
テオとアリアナが科学者達から自分より大事にされていると子供の頃から察しており、自分で気づかぬまま嫉妬している。
盗聴・盗撮が趣味で、偶然カルロ・ステファンのナワルを見てしまい、アリアナの家で保護されていたステファンを拉致したが、テオとケツァル少佐に取り返されてしまった。
一人アメリカに残った(取り残された)が、研究所が解散されたので民間企業に再就職した。業務でパナマ方面の海洋へ行く途中でハリケーンに遭遇し、セルバ共和国の海岸に漂着した。テオは彼と面会し、彼がセルバでのテオやアリアナの現状を尋ねることもしなかったので失望した。テオはシーロ・ロペス少佐にアリアナにはエルネストの存在を思い出させないように頼み、ロペス少佐はエルネストをテキサスの海岸に”捨てた”。


カーラ

ヴェルデ・ティエラのメスティーソ女性。
ケツァル少佐が雇っている通いの家政婦。(日給で週休二日制。)
昼過ぎに出勤して掃除、洗濯をして夕食を作って夜退勤する。
料理の腕前が抜群で、アスルがよく手伝いながら教えてもらっている。
私生活は語らないが、子供がいる。
雇主が軍人なので、少佐と客の会話は聞こえても聴かない。



アメリカ国立遺伝病理学研究所

遺伝病理学研究とは名ばかりで、実際は超能力の軍事応用の研究をしていた。
全米から超能力者と思われる人々を誘拐して来て、能力や遺伝子を分析して、記憶を削除して元の場所に戻すと言うことをやっていたが、ヴェルデ・シエロの存在を知った為にケツァル少佐に全ての研究データを破壊され、修復不可能なまでに所内を荒らされたために、アメリカ軍はこの研究所の存在を抹消し、チームを解散させた。

ワイズマン
研究所の所長。テオ達の生みの親の一人。
ケツァル少佐の”操心”にかかり、自らの手で全ての研究データを消去し、コンピューターの本体を破壊してしまったので、精神に異常を来たし、現在は療養所に入所中。

ヒッコリー大佐
超能力者を誘拐して監視する任務を請け負っていた。超能力者の扱いに長けていたつもりだったが、カルロ・ステファンの気の爆裂(非常に小さなもの)を目の当たりにして仰天した。現況は不明。

ホープ将軍
ヒッコリー大佐の上官で、研究所の創設者(と思われる。)。
テオが自分の細胞から作られたことを言及する台詞があるが、遺伝子の大部分を組み換えたテオに我が子と言う認識はなく、所有物扱いしていた。
彼自身はケツァル少佐の”操心”にかからなかったが、逆に”操心”にかけられた自身の部下達に射殺された(とエルネストはテオに語った。)。

メアリー・スー・ダブスン
遺伝子学者。テオの共同研究者を自称していたが、アリアナやテオの助手達によれば、研究を横取りしようと企む人間。超能力者を探して全米の先住民の血液を買い集めているうちに、セルバ共和国で買ったエンジェル鉱石の従業員の血液の中に不思議なゲノムが混ざっていたために、テオがセルバ共和国に興味を抱くキッカケとなった。
ケツァル少佐の”操心”により、研究所が捕まえていた超能力者全員を解放してしまった。
現況は不明。

デイヴィッド・ジョーンズ
遺伝子学者。テオの研究室で助手を務めていた。
記憶を失ったテオに一番親切にしてくれた男。メリカトル博物館で購入した土産物の土笛に呪いがかけられており、精神に異常を来し、傷害事件を起こしてしまった。
呪いが解けた後は退職して故郷に帰った。現況は不明。

ケヴィン・シュライプマイヤー
研究所がテオにつけた護衛兼監視役の元軍人。
職務を忠実に果たそうとして、ヴェルデ・シエロ達に振り回され、精神カウンセラーにかかる羽目になった。テオが危険な人種と親交を深めていると知ると、退職して故郷へ去った。現況は不明。




2022/03/01

空の緑 人物紹介 1

 テオと仲間達


テオドール・アルスト・ゴンザレス

元の名前は シオドア・ハースト  愛称テオ

北米の国立遺伝病理学研究所で遺伝子組み替えによって生み出された男。
頭脳明晰だが、性格は悪かった。
セルバ共和国でバス事故に遭遇し、記憶喪失に陥ってから性格がガラリと変わり、「良い人」に生まれ変わる。
バス事故から救い出してくれたエル・ティティの町の住人達を愛し、親身になって世話をしてくれた警察署長アントニオ・ゴンザレスを父の様に慕い、セルバ共和国に亡命、帰化する。
現在は国立グラダ大学生物学部遺伝子工学科の准教授として勤務。
大統領警護隊文化保護担当部の隊員達と親交を深めるに従って、面倒な事件に巻き込まれる率が高くなっている。
超能力は持っていないのだが、何故か霊の声が聞こえたり、悪霊のエクトプラズムが見える。
ヴェルデ・シエロの”操心”が効かない人間として、ヴェルデ・シエロから一目置かれている。
ケツァル少佐を愛しているが、口説く勇気がない。


シータ・ケツァル・ミゲール

大統領警護隊文化保護担当部の指揮官少佐  通称ケツァル少佐
テオより1つ年下。

現世で生きている最強の純血グラダ族の女性。 ナワルはジャガー。
純血種の父と半グラダ(半分以上グラダ族の血を引くと言う意味)の母の間に生まれた。
母親が彼女を出産後すぐに亡くなったので、サスコシ系メスティーソのフェルナンド・フアン・ミゲールとスペイン人マリア・アルダ・ミゲールの夫妻に養女に出され、ヨーロッパとセルバを行き来して育った。 現在は西サン・ペドロ通りの高級コンドミニアムで一人暮らし。
グラダ族はオールマイティのヴェルデ・シエロと言われているが、”空間通路”の”着地”が下手なので部下に皮肉を言われることがある。
彼女が張る結界はかなり強力で通り抜けられるヴェルデ・シエロはいない。(セプルベダ少佐が「ケツァルの結界にまともに突っ込むと、頭がパーになるぞ。」と言っている。)
性格はかなりドライだが、部下達を弟妹の様に心から愛している。
テオには気がないようなふりをして、結構自分からモーションをかけている節がある。



アルフォンソ・マルティネス

本名アルファット・マレンカ   通称ロホ
大統領警護隊文化保護担当部副官大尉
ケツァル少佐より6歳年下。

ブーカ族の名門貴族の家の4男(男ばかり6人兄弟)。 ナワルはジャガー。
長身のイケメン。穏やかな性格で優しく親切なので男女の別なくファンが多い。
超能力は強く、悪霊退治や荒神の鎮静をやってのける能力がある。
サッカーが得意。 現在は中古のアパートで一人暮らし。
優秀なのに性格が優しすぎるので上官達から心配されることがある。
ケツァル少佐が作る煮豆が大好物だが、少佐の家に泊まると何故かいつも朝寝坊する。
少佐に憧れていたが、少佐の異母妹と交際を始めた。
後輩達からは頼れる兄貴先輩上官として敬愛されている。


キナ・クワコ

通称アスル   逮捕した犯罪者達からは”ペケニョ・エロエ(小さな英雄)”と呼ばれている。
大統領警護隊文化保護担当部中尉
ロホより2歳年下。

恐らく大統領警護隊では唯一人の純血オクターリャ族の隊員。 ナワルはジャガー。
時間跳躍が得意だが、時間の法則を守ったりエネルギー消費が半端ではないので滅多にその力を使わない。
小柄だが格闘技に長けており、白兵戦が得意。 車の運転は暴走族並みなので、ロホと行動する場合、通常は上官のロホが運転している。
趣味はサッカーと料理、消しゴムの収集。
普段は無愛想で無口だが、気に入ると世話を焼きたがるツンデレ君。
料理が趣味なので、店や他人の台所を覗きたがる。 
文化保護担当部に抜擢された時に官舎を出てから住所不定だったが、テオの家に下宿を始めて少尉から中尉に昇級を認められた。年上の女性が好みらしいが、まだ恋人はいない。


マハルダ・デネロス

特に通称はないが、みんなからマハルダと呼ばれて可愛がられている。
大統領警護隊文化保護担当部少尉
アスルより1歳年下。 つまり、最年少。

8分の1ブーカ族の血が入るメスティーソの女性隊員。 ナワルはオセロット。
ロホと同様に6人の子供がいる家庭の末っ子。実家はグラダ・シティ郊外のワタンカフラ地区で野菜中心の農業を営んでいる。
超能力の威力は強くないが、一通りの技は使える優れ者。
力が強くないのでケツァル少佐は彼女を戦闘から遠ざけたがるが、当人は前線に出て働きたい性格。 コンピューターのデータ処理能力は抜群に高いが、たまに用事を忘れるドジも踏む。
物怖じしない性格で、ケツァル少佐でさえ逆らわないムリリョ博士に遠慮なく話しかけたり、年上の後輩ギャラガを年下扱いする。
学習意欲も盛んで文化保護担当部の必須科目である考古学を修了した後も大学で現代言語学コースを履修して学んでいる。陽気で可愛いので男子学生の間では人気が高い。林檎と甘い物が大好き。目下のところ恋愛よりも仕事に熱中している。 本部の官舎住まい。


アンドレ・ギャラガ

当人は好きではないが、カサベ・ロハ(赤い頭)と警備班時代に呼ばれて揶揄われていた。
大統領警護隊文化保護担当部少尉
アスルと同年齢(推定)。

街娼をしていた母親(ヴェルデ・シエロ)にネグレクトされ、不遇な幼児期を過ごした経歴を持つ。父親は不明。(母親は彼に父親はアメリカ人で死んだと語っていた。)
白い肌と赤毛で外観は白人に近い。母親は自分達はブーカ族だと彼に言っていたが、彼女の姓を聞いたカルロ・ステファンがカイナ族ではないかと疑いを持った。儀式でナワルを披露した時、色が薄い黒いジャガー(灰色に斑紋がある)に変身したので、グラダ族と認定された。
母親にネグレクトされ、メスティーソでもあるのでママコナの声を聞けず、超能力の使い方を知らずに成長したため、文化保護担当部に引き抜かれてから使い方を習っている最中。
グラダ大学考古学部の学生でもある。(通信制)
生きるために10歳頃に年齢を誤魔化して自ら陸軍に入隊、バレた後もそのまま軍に養われ、陸軍特殊部隊に入った。そこから大統領警護隊に採用されたので、度胸と戦闘能力は人並みに持っている。シャイな性格で、時々ケツァル少佐に「目を伏せるな」と叱られる。
文化保護担当部では己が一番格下だと心得ている。また、引き抜かれるキッカケを作ってくれたカルロ・ステファンに感謝と尊敬の気持ちを抱いている。 本部の官舎住まい。


カルロ・ステファン

エル・ジャガー・ネグロ(黒いジャガー)
大統領警護隊遊撃班所属大尉
ケツァル少佐より6歳年下。ロホと同年齢。

グラダ純血種の父と4分の1白人のグラダ系メスティーソの母の間に生まれた。
ケツァル少佐の異母弟。
2歳の時に父親を亡くし、母方の祖父も彼が5歳の時に病死したので、幼い頃から家族を養うために掏摸やかっぱらいをしていた。15歳の時に掏摸の標的にした相手がヴェルデ・シエロで、諭されて陸軍に入隊、大統領警護隊に採用された。当初は”心話”と夜目しか使えない”出来損ない”と周囲から馬鹿にされていたが、戦闘能力は秀でていたために上層部から目を留められ、文化保護担当部設立の際に親友のロホと共にケツァル少佐に部下として招かれた。少佐との血縁関係が明らかになる迄彼女を愛し、いつか妻にしようと考えていた。
少佐が彼を「弟」としか見ていないと悟った時は失恋で落ち込んだ。
テオには度々助けられ、頭が上がらない。
母親と実妹をオルガ・グランデからグラダ・シティに呼び寄せてすぐに本部勤務となってしまい、現在は官舎住まい。
グラダ族の男性として強力な超能力を持ち、気の爆裂の威力は凄まじいものがある。
気が優しく他人を信用してしまいがちな人の良さがあるが、仲間を傷つける者に対しては容赦なく攻撃する。



2022/02/27

空の緑 用語集 7

 組織


1. 大統領警護隊

ヴェルデ・シエロのみで組織されている軍隊。
国家の治安維持と国土の守護を目的とする。
一般のセルバ人からは、神(ヴェルデ・シエロ)と会話出来る人々が採用されていると考えられている。その為に国民は大統領警護隊に逆らうことをタブーとしている。
隊員は陸軍士官学校の卒業生から採用され、全て少尉から上の階級に属する。
それ故、陸軍・空軍と合同で活動する時は大統領警護隊の隊員が指揮官となることが多い。


本部はグラダ・シティに置かれ、大統領府と同じ敷地内にある。
地上施設は、司令部、隊員の宿舎、訓練所、車両部など。
地下に大規模な地下神殿と多目的大広場がある。
組織としては、
司令部  司令官 大佐
     副司令官 中佐2名が交代で勤務
     内務調査班 大統領警護隊内部の勤務状況や不祥事を調査する組織
     神殿警備班  地下神殿の管理維持、外の世界での祭祀の指導
     外部活動統括班 外部組織、外郭団体や省庁出向人員の管理 
     情報分析班 セルバ国内の社会情勢や治安に関する情報を収集し分析する
     司令部に入るには指導師の資格取得が必要(基本的に少佐以上の階級)
警備班  最も隊員数が多い部署で、隊員は必ずこの部署から勤務経験を開始する
     活動内容は、大統領府の警備、大統領や政府要人の警護
     当番制で本部内の清掃、洗濯なども自分達で行う
     業務に使用する車両の整備を行うのは警備班車両部の仕事
     大統領府の正門を守ったり、式典で行進する儀仗兵も警備班の役目
厨房班  隊員だけでなく大統領や賓客の食事の世話をする部署
     食材を清める儀式を行うので、指導師の資格が必要
     指導師の資格を取ると必ず最短半年は厨房班で勤務することが義務づけられる
遊撃班  警備班から選ばれた精鋭が勤務する部署で常時指揮官以下25名が所属
     他の部署で欠員や傷病欠が生じた場合に助っ人として呼ばれることがある
     外の世界で起きる事件の捜査や小規模の軍事行動に携わる
技術班  武器の管理、装備品の管理、物資調達などを担当する

支部は持たないが、外部組織がいくつかある。


太平洋警備室
太平洋岸のサン・セレスト村に置かれている。
太平洋岸の平和維持(津波や暴風雨の鎮静、外敵侵入の防御)を目的とする。また、セルバ共和国第2の都市オルガ・グランデの守護も担当する。
駐在隊員は全部で5名。        

国境警備隊  
南北の国境に配備される。陸軍の国境警備隊と合同編成の部隊で、大統領警護隊が指揮権を持つが、厨房などの係も大統領警護隊が担当する。(食材を清める必要があるので)
国境検問所の警備(通行人や通行車両の検査は陸軍が行う)、ジャングルや海上、砂漠の巡視を行う。
また、空港(グラダ・シティとオルガ・グランデ)の警備も担当している。

外務省  
諸外国に置く大使館、領事館の武官として大統領警護隊の隊員が派遣される
また、本国でも各セクションの責任者として隊員が勤務している
他にも内務省、国防省などに隊員が出向している

文化保護担当部
文化・教育省に置かれている外郭団体
国内の遺跡保護と発掘作業の監視を行う
また、古代の神の呪いや悪霊のお祓いも行う


2. 長老会

各部族の長老達の中から選挙で選ばれた人々で組織するヴェルデ・シエロの最高権力組織
一族内の司法と立法を司どる
長老会のメンバーは大統領警護隊本部の地下神殿大広間で会合を行う
会合の際は仮面を装着し、個人名は決して使用しない
一族の存続を危うくする恐れのある人物の暗殺を”砂の民”に命令することが出来る
一族の反逆者を裁判にかける審判も行う


3. 長老

各部族の構成員で年齢が高く、経験豊かで、超能力が強く、術に長けている人望のある人々


4. 族長

各部族の代表
部族の成人に達している構成員による選挙で選出される

5. 憲兵隊

基本的にヴェルデ・ティエラの警察組織
主に先住民と外国人が関与する事件の捜査などにあたる
隊員の中にヴェルデ・シエロがいることもある

6. 司法警察

ヴェルデ・ティエラの警察組織
都市警察と地方の州警察がある
一般のセルバ国民の治安維持と犯罪捜査にあたる
ヴェルデ・シエロが入っていることはないが、警部以上の階級に上がると、ヴェルデ・シエロ対処法を上から教えられる


7. 陸軍特殊部隊

セルバ共和国陸軍の中の部署
大統領警護隊に採用されなかったヴェルデ・シエロの軍人の多くがここに配属されている


8. 沿岸警備隊

セルバ共和国には海軍がないので、海上警備は沿岸警備隊が行う
隊員にヴェルデ・シエロがいるのかどうかは不明


9. 7438・F・24・セルバ

テオがセルバ共和国を訪問するきっかけとなった謎のゲノムを持つ血液サンプル。
エンジェル鉱石の従業員から採取されたことだけが判明している。

第11部  神殿        23

  一般のセルバ共和国国民は神殿の中で起きた事件について、何も知らない。そんな事件があったことすら知らない。彼等の多くは”ヴェルデ・シエロ”はまだどこかに生きていると思っているが、自分達のすぐ近くで世俗的な欲望で争っているなんて、想像すらしないのだった。  テオは、大神官代理ロア...